リアリティ・イン・アドバタイジング 13章 コピーのレバレッジ効果(梃子の原理)

 有史以来、人類は梃子の原理に関心を持ち続けてきた。

「長い一本の棒を与えてくれ」

古代ギリシアのアルキメデスは言った。

「そうすれば地球を動かしてみせよう」

レバレッジ効果(梃子の原理)とは何だろうか。現代の人類も問い続ける。

株式市場から政治の世界まで、その問いはかつては夢であり、何度も語られた言葉であり、人々の目の中の輝きであった。

 さて、あなたが次のような質問を発することは自然であろう。

「リーブスさんの会社の研究者達は、黄金の引き寄せ率を獲得するための梃子の原理をもったキャンペーンを見つけ出したのですか?」

 私の答えは「イエス」だ。

 実際にそのようなキャンペーンは存在する。そして、それはショーウィンドウ広告の芸術性などよりもはるかに深いものだ。

 多くの広告アーチストの安易な芸術性、アートディレクターのスキル、口達者な人間の空虚な言葉よりもはるかに深いものだ。

 さらにそれは、実際にはすべての表層的要素つまりコピーのスタイル、大聖堂のような荘厳さ、舞い上がる広告表現、ユーモア、あるいは製品そのものの最高の魅力をも超越するものなのだ。

 そのようなキャンペーンにはUSPがある。

 USPとは何か?

 USPとは、我がテッド・ベイツ社が1940年代初期に独自に考案したものだ。

 我々はこのUSPの理論を活用し、1社のクライアントも失うことなくすべてのクライアントの売上を劇的に増加させ、ほとんどのケースで前代未聞級に増加させ、我が社自体の売上も400万ドルから1億5千万ドルに拡大させてきた。

 今日、USPは多分広告の世界においてもっとも違った意味において使われている言葉だろう。

 今日、USPは何百もの広告代理店によって使われ、アメリカ中で急速に普及し始めている。

 USPは安易に、きちんとした理解もないままに、スローガン、巧みなフレーズ、変わった写真、あるいは単にヘッドライン等において使われている。

 実際、広告ライターが競合する広告の中に見つけるわずかな違いであればほとんど何でもUSPとして使われている。

 それはまるで、『鏡の国のアリス』に登場するハンプティ・ダンプティ の、何も考えていない安易さと同じような安易さでもって使われている。

「僕が言葉を使う時は、それは単に僕がそれを選んだからなんだ。それ以上でも、それ以下でもないよ」

 しかし、USPはひとつの明確な用語で、明確な定義を持つ用語である。古代ガリア国のように、USPの定義は三つの要素から構成される。

1.すべての広告は消費者に何らかの提案をするものでなければならない。言葉だけではなく、製品やサービスについての誇大表現でもなく、単なるショーウィンドウ広告でもない。広告は消費者に語りかけなければならない。「この製品を買って下さい。そうすれば、あなたはこの実際のメリットを得ることが出来るのです」と語らねばならない。

 この訓戒は、当然のことだが、過去六十年間に出版されたすべての広告の教科書の最初のページに刻まれている。しかし、今日この訓戒はほとんど忘れ去られてしまい、守るよりも破ることが名誉とされている。

2.提案は、あなたのライバル会社が提供可能であったり、実際に提供したりするものであってはならない。提案はユニークでなければならない。ブランドのユニーク性か、またはその領域において安易に表現されるようなもの以上の主張でなければならない。

 ユニークな提案とは、それ自身で広告の強力な理論的基盤になると考えたいところだろう。

 ところが、ユニークな提案であってもまったく売れないのがごまんとあるのだ。

 有名な「リボンのように現れて、ブラシの上になめらかに乗ります」という歯磨き粉の事例を見てみよう。

 これは、間違いなくひとつの提案で、しかもユニークである。しかし、この提案は消費者大衆を動かすことができなかった。なぜなら、それは消費者にとって明らかに重要なことではなかったからである。それゆえ、次の要素が重要になってくる。

3.提案は、何百万もの消費者を動かし、結果的に多くの新規客を引き寄せるような強力なものでなければならない。

 以上の三つが組み合わさり、「ユニーク・セリング・プロポジション(ユニークな、売上を獲得できる提案)」を構成するのだ。

 これがUSPだ。

 さて、そろそろ外野から野次が聞こえてくる頃だ。

「何という詭弁、こじつけだ!」

 多くの者は言うであろう。

「これは、単に言葉自体から生まれた空虚な理論だ。最初に『どのキャンペーンが最も多くの顧客をひきよせるか?』という問いを設定し、そして、勝手に次のように結論している。『製品について何かを伝え、最も多くの顧客を引きよせるキャンペーンだ!』」

 このコメントには価値がまったくない。

 我々は、別に空虚な理論を思いつきで言っているわけではなく、大ばさみで洋服全体をバラバラに切り分けているわけでもない。

 我々は、我々が実際に関与した何千というキャンペーンと、蓄積された膨大なデータからパターンを抽出したのだ。

 我々は、最も成功したキャンペーンに共通してみられる特徴をレポートしているだけなのだ。

 我々は、別段大げさな公示を行おうとしているわけではない。

 我々は単に「より高い引き寄せ率のレバレッジ効果を獲得している特定のタイプのキャンペーンが存在します。これらのキャンペーンは製品について主張し、その主張は非常にユニークで、消費者が関心を持ちそうな内容に満ちています」と言っているだけなのだ。

 本書の草稿を読んだあるコピーライターは、次のように言った。

「なんだこれは?すべてのキャンペーンにはみんなそれぞれUSPがあるぜ」

 本当だろうか?

 では、実際に見てみよう。

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