グーグルに掲載される広告の量的拡大が象徴するように、ネットを含めた広義のメディアを通じて流通される情報量も指数関数的に増加しています。

私の手元に総務省がまとめた「情報流通インデックス研究会報告書」がありますが、これによると、平成19年の流通情報量(一般の消費者に向けて発信される情報)は約6ゼタビット(10の21乗ビット)で、平成13年からの6年で1.55倍に増加しています。

一方、平成19年の消費情報量(消費者に受信され、認知された情報)は300ペタビット(10の15乗ビット)で、平成13年からの6年で1.04倍の伸びと、ほぼ横ばいになっています。

問題は、流通情報量に対する消費情報量の比率で、20,000対1となっています。

つまり、消費情報量の2万倍もの情報が流通し、そのほとんどが消費されないまま垂れ流しになっているのです。

さらに、同報告書によると、平成19年の消費情報量の大半(77.4%)は放送メディアを通じて流され、インターネットは、伸び率は高いものの、全体の8.9%にとどまっています。

一方、テレビを含めた他メディアにおける消費情報量もほぼ横ばいか微減で、電話だけが極端に低下しています。

つまり、全体的な消費情報量がほぼ横ばいの中で、インターネットが印刷・出版、郵便、電話といった他メディアでの消費情報量を奪う形で伸長を続けているのです。


総務省がまとめた「情報流通インデックス研究会報告書」から

しかし、ほとんどひとり勝ちで消費情報量を増やしているインターネットですが、その情報消費のされ方も近年大分変化している可能性があります。

インターネットでの情報消費は、「ブログ記事を読む」「検索結果を読む」「チャットをする」「メールマガジンを読む」「動画や画像を見る」といったかたちで行われますが、これだけグーグルが巨大化してくると、「検索結果を読む」という消費行動が大きく変わってきている可能性があります。

例えば、ある消費者が「目黒でおすすめのベトナム・レストラン」を接待目的で探すとしましょう。

数年前のグーグルであれば、文字通り「目黒 おすすめ ベトナム料理」といったキーワードの組み合わせで検索し、検索結果や同時に表示される広告をそれなりに信じ、活用していたことでしょう。

ところが、最近では検索結果の「さらなる口コミ的な情報」からより深い情報を得たり、最初から検索などしないでソーシャルメディアで自分の友人たちにおすすめをたずねたりするようになってきています。

流通する情報量があまりにも増加してくると、消費者は逆により身近なソースから情報を入手するようになるのかもしれません。

また、一口に「おすすめのベトナム・レストラン」といったところで、検索者が女性か男性かでも「おすすめ」は違ってくるでしょうし、ビジネスかプライベートかでも、またあっさり系かこってり系かといった個人の趣味の点でも違ってくるでしょう。

つまり、グーグルがいかに巨大化しようとも、近年のソーシャルメディアの台頭に象徴される「ネットのパーソナライズ化」には必ずしも対応しきれていないのです。

実際、近年の口コミサイトや、フェイスブック、ツイッター等のソーシャルメディアの利用が急増してきている事実も、以上の事を如実に反映しているのかも知れません。

(ネット広告万能主義の危険性④へ続く)

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