新規事業の研究 マーケティング ロゴの重要性④

では、実際にアメリカ長老教会のロゴを見てみましょう。

濃い青とビビッドな赤を基調としたシンプルなデザインです。周辺に「長老教会(USA)」という文字が丸く縁取られるように綴られています。ぱっと見たところ、なんとなくキリスト教の教会という感じの程度のイメージを持たれるかもしれません。

しかし、このロゴは下の八つの要素によって構成されています

1.十字架

まずは十字架が全体をあらわすシンボルとして中心にデザインされています。十字架そのものがキリスト教のシンボルでもあり、教会のシンボルでもあります。アメリカ長老教会は「このロゴのデザインにおける支配的構造であり、かつ神学的な要素はこの十字架である」と説明しています。

2.聖書

次に聖書がデザインされています。デザインされた箇所を目を凝らして見ると、ちょうど聖書が開かれた状態で置かれているように見えます。聖書がここにデザインされていることには「(アメリカ長老教会の)改革神学の伝統が聖書に置かれている」とするアメリカ長老教会の聖書信仰が表明されています。

3.鳩

続いて鳩です。鳩は平和の象徴であり、キリストの受洗のシーンに登場する鳩にも通じます。また、鳩はキリスト教においては三位一体の聖霊の象徴でもあり、「教会生活における聖書の解き明かしと励ましを促す聖霊の役割を確認する」という意味も表現しています。

4.説教壇

続いて説教壇です。説教壇とは、牧師が説教をするときに使う壇のことで、一般的なキリスト教の教会にはたいてい備えられています。ここで説教壇がデザインされていることには「長老教会の礼拝の歴史における説教の重要性」を表明する目的があります。

5.炎

そして炎です。ここに炎がデザインされていることについて、アメリカ長老教会は次のように説明しています。「まずは旧約聖書出エジプト記でモーセに啓示された神の炎を象徴すること。そして、ペンテコステでキリストの弟子たちに天から炎が下りキリストの教会が始まったことを示すこと」

ここに旧約聖書と新約聖書のそれぞれにおける重大な出来事が示されていることに、私は非常に奥深いものを感じます。

註)ペンテコステ(Pentecost)とは、キリストの復活から50日目にキリストの弟子たちへ天から聖霊(炎)が下り、教会が誕生した日を祝うキリスト教の祝日のこと。聖霊降臨日とも言います。

6.三角形

そして三角形です。ご存じの方も多いと思いますが、キリスト教は三位一体の神を信じています。そして三角形はその三位一体のシンボルです。また、三角形は「アメリカ長老教会のバランスの取れた組織体系をあらわすもの」でもあります。

7.魚と聖杯

最後に魚と聖杯です。目を凝らしてみると、鳩の銅の部分が魚にも見えるようにデザインされています。魚はローマ帝政時代に迫害された初期のクリスチャン達が用いたキリスト教の隠れシンボルです。また、聖杯はキリストの最後の晩餐を記念する聖餐式に使われる、これもキリスト教のシンボル的なものです。

以上の意味やメッセージをすべて包含してアメリカ長老教会のロゴはデザインされているのです。見た目の美しさやデザイン性も素晴らしいですが、何よりもアメリカ長老教会の歴史、伝統、理念、神学を、包括的にひとつのデザインとして集約しているところにこのロゴの素晴らしさがあるのです。

(ロゴの重要性⑤に続く)

 

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