喫茶店業界の現代事情

産経新聞オンライン版が、喫茶店業界の現代事情を伝えています。

関西でおなじみの喫茶店「珈琲(コーヒー)の青山」が2月末で全11店舗を閉店し、喫茶店事業から撤退した。大手コーヒーチェーンの進出や安価なコンビニエンスストアの入れ立てコーヒーに押され、業績が悪化したのが大きな原因だ。価格やサービスが多様化し、「勝ち組」と「負け組」がくっきりと分かれ始めた喫茶店市場。昔ながらの喫茶店は苦境に立たされている。

「珈琲の青山」は、青山珈琲(兵庫県尼崎市)が兵庫、大阪、奈良、広島の各府県で計11店を運営していた。

同社は昭和23年に創業。店は大阪・梅田や神戸・三宮の繁華街などに立地し、ガラス張りの外観や豪華なインテリアなど高級感のある落ち着いた雰囲気が特徴で、待ち合わせなどに重宝されてきた。コーヒーも売り物のブルーマウンテンが1杯550円と、1杯200~300円台で提供するチェーン店などより高めだった。

帝国データバンク神戸支店によると、ピーク時は36店舗まで拡大し、平成10年には約41億円の売り上げがあったが、24年は約5億円に落ち込んでいた。

同社は喫茶店事業からの撤退について「創業者である社長が高齢になり、自分が生きているうちに店を閉めたいとの意向があった。業績面で他店に押され低迷し、4月から消費税率が上がることもあり、このタイミングで撤退を決めた。今後は不動産業に絞る」と説明。大人向けの高級志向が、安価なコーヒー店が浸透した今の時代に合わなくなったとの見方もある。

外食産業総合調査研究センターの推計では、平成24年の喫茶店の市場規模は1兆197億円。ピークだった昭和57年(1兆7396億円)の約6割に縮小。喫茶店の事業所数も総務省の統計によると、自家焙煎などの「珈琲専門店」ブームだった昭和56年の15万4630店をピークに減少し続け、24年には4万9298店と3分の1以下にまで落ち込んでいる。

背景について、兵庫県喫茶飲食生活衛生同業組合の理事長で、神戸市垂水区で喫茶店「リア珈琲」を経営する林靖二さん(61)は「若者はファッション性の高い『スターバックス』や安いコンビニのコーヒーに流れる。ビジネスマンも『ドトールコーヒー』などセルフサービスの店に行く。個人経営店には後継者が不足しており、時代の変化に対応できていなかった」とみる。

引用元記事

私が主宰している「次世代新規事業研究会」でも、「ボロビル・古ビル活用事例研究」と称してルノアールのボロビル再生事例を研究しましたが、ルノアールは喫茶店というビジネスモデルに加え、ボロビル再生事業を事業戦略に組み込み、会議室を提供する新たな収益モデルを確立しています。

「単なる喫茶店」が淘汰されているのは、産業が成熟化してプレーヤーが提供する効用がさらに高度化される必然が生じているためで、要するにそういう企業努力をしない、したがらないプレーヤーは退場を余儀なくされているということでしょう。

スターバックスがWi-Fi機能を提供したり、一部のルノアールはPC用電源を提供する等、労働市場全体の流動化に合わせたり外人客のニーズに合わせたりして、単なる喫茶店以上の機能の提供が当たり前になりつつあります。

今後もユーザーがかなり細かく細分化されてゆくのは間違いないでしょうから、そうした業界構造の中でいかに上手にニーズに対応してゆくか、経営者の手腕が問われるところでしょう。

 


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