スクライヴェンが書いた感動的な詩にアメリカ人弁護士チャールズ・コンバースが1862年に曲を付けた What a friend we have in Jesus は、瞬く間にカナダ・アメリカの多くの教会で歌われるようになった。日本でも日本基督教団讃美歌編集委員会がこの讃美歌を訳詞し、古くから日本の教会でも歌われるようになった。また、この曲は1910年に「星の世界」という別の名前で文部省唱歌にも採用されている。

漏れ個人的にはスクライヴェンのオリジナルの歌詞よりも日本語の歌詞の方が好きなのだが、日本語の歌詞を見る限り、日本基督教団讃美歌編集委員会が相当丁寧に訳詞したのが見て取れる。なお、日本ではこの讃美歌は讃美歌312番として収載されている(なお、カトリックでも聖歌672番として採用されている)。以下にこの歌の日本語歌詞を載せる。

讃美歌312番「いつくしみ深き」

いつくしみ深き 友なるイェスは
罪科(つみとが)憂いを 取り去り給う
心の嘆きを 包まず述べて
などかは下ろさぬ 負える重荷を

いつくしみ深き 友なるイェスは
我らの弱きを 知りて憐れむ
悩み悲しみに 沈めるときも
祈りに応えて 慰め給わん

いつくしみ深き 友なるイェスは
変わらぬ愛もて 導き給う
世の友我らを 捨て去るときも
祈りに応えて 労(いたわ)り給わん


人の苦しみや悩み、憂いにいつでも答え、共に苦しんで涙してくれる真の友イエスへの信仰が、短い詞の中に見事にまとめられている。漏れはこの訳詞ははっきり言って名訳中の名訳だと思う。やたら騒々しい、仰々しいゴスペル風のワーシップソングなるものが一部のキリスト教会で幅をきかせつつあるようだが、この詞にはそうした軽々しい一過性の熱病のようなものとは別次元の力強さが込められている。

「いつくしみ深き」という讃美歌は、それを生み出した人々の信仰と、信仰者として生きた歴史が礎石となり、時代ごとのクリスチャンによって錬られつつひとつの人的遺産として成長してきたように思われる。否、クリスチャンのみならずクリスチャンでない人々からの愛や情熱をも集めて人々全体の愛唱歌として成長してきた。日本の結婚式で普通に歌われるこの讃美歌に人の心を動かし涙させる大きな力があるのも不思議ではない。この歌にはそれだけのドラマが凝縮して織り込まれているのだから。

(ブログランキングにご協力お願いいたします。↓)

にほんブログ村 哲学・思想ブログ キリスト教へ
にほんブログ村

Column "Hitorigoto"

「いつくしみ深き」という讃美歌の話 Part3