先日、思うところがあって漏れは日本国際ギデオン協会に入会を申し込んだ。ネットで申込んだらその直後に同協会の事務局から漏れの携帯に電話があり、「御志大変感謝いたします。つきましては10月23日に催されます愛餐会へお越しいただきましょうか」という、大変に気の長いお話を承った。その後、世田谷支部の支部長さんからも携帯に電話があり、「近々に支部の皆に話を伝えます」というお話を承った。世にキリスト教と名がつく団体は往々にして時間的制約を負わないところが多いが、出版社とかも例外ではなく、キリスト教関連の出版社は、一般の出版社に比べて、恐ろしいほどペースというか時間感覚が鈍い。例えば、漏れはアメリカのあるベストセラーのキリスト教関連本を2008年に翻訳したのだが、それを某キリスト教系出版社に持ち込んだところ、話が伸びに伸びて未だに出版されずにいる。予定ではもう出版されているはずなのに、何故か一向に書店には並んでいない。一方、一般の出版社とも漏れは仕事をしているが、こちらの方は、特に業績の良い出版社は、総じて仕事のスピードが速い。同じ出版社とは言えないであろうと誰でも断定するくらい両者には違いがある。あえて言うと、キリスト教系出版社は、キリストの名の下に実に甘えているとさえ思わされてしまう。まあ、キリストによって救われているのは事実であるにせよ、普通の社会人としてももっとしっかりとして欲しいと愚痴をこぼしたくもなる。しかし、そうは言っても、もともと利益を目的にしていないのであろうから、一般の営利企業とは同一に論じられないのかもは知れないが。

 さて、日本国際ギデオン協会略してギデオン協会とは、1898年にアメリカで発足したクリスチャンのビジネスマンを主たる構成メンバーとする聖書配布団体である。このギデオン協会であるが、主にホテルや学校、刑務所、病院といった施設に聖書を無料で配布している。発足から今日まで全世界で15億冊超の聖書を配布してきたというから驚きだ。今でもビジネスホテルとかの部屋の引き出しには聖書が置かれているが、それらはほぼ間違いなくギデオン協会が配布したものである。Yahoo!知恵袋とかを見ると、あれは自殺防止用にホテルが置いているのだといったいいかげんな情報が流布されたりしているが、正しくはギデオン協会の無料配布の結果である。で、このギデオン協会だが、その発足の物語が実に面白い。漏れが漏れの教会の図書室の大掃除の時にもらった「教会生活案内(中島彰著・絶版)」という古典的名著が、そのあらましを伝えている(以下、そのまま引用):

 ひとりの婦人が臨終のきわに、13歳になるひとりの息子を枕辺に呼びました。
 「ジョンや、おかあさんのいのちはもう長くないと思うの。それで、あなたに一つのお願いがあります。それは、この聖書を毎日読んで、毎日お祈りをしてほしいということなの。これを忠実に守ってくれるなら、おかあさんはあなたに百万ドルの宝よりももっと大きな宝をあげることになるけど、守ってくれますか?」
 少年は、名をジョン・ニコルソンと言いますが、母親の手を握って、
 「おかあさん、きっと、ぼく守るよ」
 と約束しました。ジョン少年は母親を天国に送ってからも、約束を堅く守り続けました。
 学校を卒業したニコルソンは、ある商社にはいり、出張販売員となりました。見本をカバンに入れて、あちこちの得意先を回るのですが、カバンの中にはいつも聖書がはいっていました。
 1898年秋、ニコルソン青年は、ウィスコンシン州ボスコビルという小さいいなか町にやって来ました。ところが、あいにくホテルが満員で困りましたが、ホテルの事務員は「相部屋ならベッドが一つあいている」と親切に言ってくれました。彼はさっそく申込んで、見知らぬ青年がいる部屋に案内してもらいました。
 相手の青年は、もうランプの灯を小さくして床に着いていました。彼は一瞬ためらいを感じました。ここに見知らぬ人がいる。しかもすでに寝ている。迷惑をかけてはいけないから今夜は聖書を読むのをやめようかと思いました。
 ところが彼は、母との約束を思い起こしました。いやいや、やめてはいけない。それで彼はいんぎんに彼に頼みました。「すみません。おやすみのところを。実は私、毎晩寝る前に聖書を読んでお祈りするようにしているんです。そこでこのランプの灯を、もう少し大きくさせていただいてよろしいでしょうか」
 相手の青年はサムエル・E・ヒルと言いますが、急に起き直って言いました。
 「君はクリスチャンか?ぼくもだ。ではいっしょに聖書を読んで祈ろう」
 それからふたりは、聖書をランプの下で開き、ヨハネの福音書十五章を読んで、ひざまずいて祈りました。彼らの間には、聖書と祈りを通して、世にも甘美な友情が生まれました。
 「自分たちは旅に出るごとに寂寞と誘惑と戦っている。こういう友情、主にある交わりを互いに持つならなんと幸いなことだろう」
 それでふたりは、翌1899年五月に会合を持ち、「個人伝道と主イエスに共同して使えるクリスチャン出張販売員会」をつくろうと決心したのです。

(続く)

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Column "Hitorigoto"

Vol.29 ギデオン協会について Part1